『あるひあるとき』
〈76回目の終戦の日〉
今、次世代へ伝えたい!
~第二次世界大戦のころ、中国の大連で戦中・戦後を過ごした著者から~
『あるひあるとき』(あまんきみこ文/ささめやゆき絵/のら書店)
第二次世界大戦中、旧満州の大連に住んでいた私には大切な友だち、こけしのハッコちゃんがいました。
遊ぶ時も防空壕に入る時もいつも一緒でした。
小さい私がよごしてしまったのでしょう。
ハッコちゃんは片目の墨がながれかけたような泣き顔でした。
やがて戦争が終わり、日本へ引き上げることになりました。
けれども引き揚げの日が三日さきにきまったとき「ハッコちゃんは、つれていけないのよ」といわれます。
二どめの冬をこすのに、石炭がなくありとあらゆるものを燃やしていました。
ハッコちゃんは・・・
あまんきみこさんの子どもたちの未来を願う祈るような思いが伝わってきます。
ささめやゆきさんの絵が雰囲気を醸し出していて、心に沁みてきます。
我が家にも時代をくぐり抜けてきたこけしがあります。
それだけに小さい私の気持ちがひしひしと伝わってきます。
投稿者プロフィール
- ロングセラーの絵本、昔話絵本、赤ちゃん絵本などを取り揃えています。蔵書数はおよそ3500冊。長年、絵本専門店を営んできた店主が思い入れのある本をセレクトしています。
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