小澤俊夫氏講演会

「みなさんの顔が見えないので」と、すっと立ち上がり、そのまま約2時間お話された。
御年90歳。
その語り口はやさしく、大勢に向かって話しているにも拘らず、直球で心に響いてくる。
まるで、1対1でおはなしされているよな錯覚に陥る。
大事なところは、二度三度、言葉にし、少し間をおく。
その間、しっかりメモをとる時間がある。
聞き洩らしたくない2時間。
メモの量はノート9枚分。
それでも、おはなしされた内容を全てを受け取った気持ちになるのは、小澤先生のシンプルでクリアな語り口(あれ? これは昔ばなしと通じるではないか!)と、絶妙な間からくるのだろう。
講演中は、頭はフル回転、ペンを握る手はフル稼働だったのに、この時間がずっと続いてほしいと願うほど、小澤先生の声が心地よくあたたかかったです。
お話の中で、特に『三年寝太郎』は一番好きとおっしゃった。「これ、実話に思えませんか?」と。確かにいます。我が家にも💦
いつ、目覚めるのだろうかとヤキモキさせられる中学生の寝太郎が(-_-;)
「寝太郎、眠り姫は、あまりおこさずに。満足するまで、寝た方がいい」
「寝太郎をさせてもらえない方が心配」
「いつかはみんな起きるよ」とは言え、やはり「うちの子は大丈夫?」と心配してしまう母心。
「大丈夫。安心して寝かしておいてやりなさい」と最後に穏やかにおっしゃった言葉に、勇気をもらいました。
我が家の寝太郎くんは、しばらく寝太郎のまま、見守ることにします。
昔ばなしは、暮らしの中で子ども達の健やかな成長を祈る気持ちが語り伝えられてきた。
今からでも遅くはないので、子ども達に昔ばなしを語っていきたいと改めて思いました。
参加者のほとんどの方がアンケートに熱い想いを書いてくださいました。
主催者のひとりとして、とても嬉しかったです。
ありがとうございました

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- ロングセラーの絵本、昔話絵本、赤ちゃん絵本などを取り揃えています。蔵書数はおよそ3500冊。長年、絵本専門店を営んできた店主が思い入れのある本をセレクトしています。
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