『ちいさなてのおおきなうた』
最近、POP作りにはまっている娘。
描いた絵本は、こちら。
『ちいさなてのおおきなうた』(作:五味ヒロミ/絵:ユルト聖子/生活の医療社)
POPのイメージはできていたようで、さらさらと絵を描いていた手がパタッと止まる。
「他の人とは違う。いや、違うじゃないな~」
「不自由。この言葉は使いたくないな~」
「どう書いたら、伝わるんだろう? 音がよく聞こえなくても、それを助けてくれる目や手があるってこと。それって、すごいことだよね」
そんな思いをPOPに書いたとのことです。
親の出番はありませんでした。
“いろいろな人がいる中、みんなの心をひとつにした「うた」不得意なことがあっても、得意なことがあるとはげましてくれる本です”
ふみちゃんは、うまれたときから音がよく聞こえません。
話してる人の顔や口の形をみて、手話で話します。
歌の発表会が近づき、クラスで“しゅわソング”を歌うことになりますが、なんとなくクラスの様子が変なのです…。
ふみちゃんから見たクラスの様子が、暗いタッチで描かれ怖さを感じます。
音の世界は、こんなにもふみちゃんに不安を感じさせているのだろうか。
お互いに《ありがとう》と手話で伝え合った場面で、はじめてみんなの声をきいたような気持になったふみちゃん。
友達の気持ちがわかる。伝えることができる。って、嬉しいですよね。
子ども達に笑顔が広がります。
ふみちゃんも不安。
だけど、他の子ども達もきっと、わからないことへの不安があったのでしょう。
お互いの垣根を、ピョンと飛び越える手話。
我が家の末っ子は、この絵本を読んで初めて手話を知りました。
「赤ちゃんの時から聞こえないって、どんな感じだろう? 手話でどうやって伝わるの?」
そうして、絵本の中に描かれている手話を真似てみる。
「手話ってすごいね! 他にはどんな手話があるのかなぁ?」
姉妹で共鳴した部分は違うけれど、伝わる喜びを感じたようです。
(くどえり)
投稿者プロフィール
- ロングセラーの絵本、昔話絵本、赤ちゃん絵本などを取り揃えています。蔵書数はおよそ3500冊。長年、絵本専門店を営んできた店主が思い入れのある本をセレクトしています。
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