瑞雲舎の新刊!!『チビにいちゃんとOちゃん』
『すえっこOちゃん』の姉妹作、初邦訳。
チビにいちゃんが日々の暮らしの中で巻きおこすハラハラドキドキのお話
『チビにいちゃんとOちゃん』
(文 エディス=ウンネルスタッド/訳 小宮由/絵 さこももみ/瑞雲舎)
ラルソン家7人兄妹の下から2番目の好奇心旺盛で元気いっぱいの男の子。
色んなことに興味を持ち、こうと思ったらすぐ行動する。
妹のOちゃんもまきこんでの大騒動。
大人は振り回されてハラハラドキドキ。
私も読んでいて、「それ、やったらダメ。えらいことに!」とつい口をだしたくなります。
内容紹介は読者の楽しみを奪うので少しだけ。
絵の具のかわりに赤と青のインクで写真をぬり、ついでにマットのうさぎもぬりつぶし、何と寝ているOちゃんのほっぺやくちびるにも。
ママの悲鳴が聞こえてくるでしょ。
またある時は一人でバスに乗り、夏に忘れていたおばさんの別荘におもちゃのアヒルを取りに行く。
凍った海の上をピキッ、パチッと音をたてながらたったかと歩くのですけれど、私もハラハラ、思わず「やめて~」と。
「チビにいちゃんと 時計屋のリリヤさん」も何ともいい。ちょっと偏屈なリリヤさんとのやりとりが面白く、温かいのです。家族をはじめ周りの
大人たちがチビにいちゃんをそっくり受けとめ見守っています。
その都度ふりまわされますけれどね。
爽やかで気持ちがいいです。
だからこそチビにいちゃんは思いっきり羽ばたくことができたのでしょうね。
なんと素敵な子ども時代でしょうか。
現代はこのようにはいかないでしょう。
コロナ禍でのびのびと遊んだりお喋りすることができなかった子どもたちが今少しずつ手足を延ばしつつあります。
このお話しの世界を思いっきり楽しんでほしいです。
さこももみさんの挿絵が愉快で可愛いです。
秋には続編『ちびにいちゃん馬のロッタ』が出版されるそうです。
今から楽しみです。
※スウェーデンの児童文学『すえっこOちゃん』(フェリシモ出版/現在は品切れ重版未定)の姉妹編。
『すえっこOちゃん』は、すえっこOちゃんが主人公でしたが、今回はすぐ上のおにいちゃんが主人公です。
〈もくじ〉
1 チビにいちゃんと Oちゃん
2 チビにいちゃん 買い物にいく
3 チビにいちゃん アヒルをさがしにいく
4 チビにいちゃんと 時計やのリリヤさん
5 チビにいちゃん にわとりをほしがる
投稿者プロフィール
- ロングセラーの絵本、昔話絵本、赤ちゃん絵本などを取り揃えています。蔵書数はおよそ3500冊。長年、絵本専門店を営んできた店主が思い入れのある本をセレクトしています。
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