☆《江戸っ子三人が子どもたちに伝えたかったこと~赤羽末吉、大塚勇三、梶山俊夫~》 終わりました。☆

お二人のトークが余りにも面白く聞きこんでしまい、いつの間にか時間が経過していたのでした。

三人とも江戸っ子?江戸っ子気質が流れている!
赤羽末吉は神田生まれ現東日暮里や 深川あたり子ども時代は紙芝居、歌舞伎、映画などを見て育ちます。
22歳の時に旧満州へ渡ります。

大塚勇三は中国東北部で生まれ満州から日暮里に戻ってきます。
寄席のパスを持っているほど落語好きとのことでした。

梶山俊夫は亀戸生まれでお父さんは大工の棟梁でした。
大工に混じって民謡を聴いたりうたったりしていました。

この三人がやがて絵本界、児童文学界に大きな影響を与えるようになるとは!
赤羽末吉さんは八方破れの芸風古今亭志ん生、大塚勇三さんは細部まで寸分もゆるがせもしない桂文楽が好きだとかで、面白いです。
茂乃さんに「へそとりごろべえ」を読んでいただいた。
ことばがポンポン弾み、江戸風が感じられ、大いに納得です。

へそとりごろべえ

二人の奇跡的出会いが重なって「スーホの白い馬」が結実されます。
ストレート正当な文章、美しい日本語。
楽しいことばかりでなく切ない物語も届けたい。
子ども心を豊かにするという思いからです。
赤羽末吉さんは大陸に対するオマージュとして描いたと話されましたが”子どもに文化をきっちり伝えたい”が端々に感じます。

梶山俊夫さんは戦争が激しくなり茨城の常陸太田に疎開し、そのことが原風景となり絵描きとしての将来に大きくかかわってきます。
ヨーロッパから帰国後、国分寺跡や奈良時代の廃寺歩き回り絵描きとしての生き方を追い求めていきます。

大塚勇三さんのリンドグレーン、「長くつ下のピッピ」「トムソーヤの冒険」「ハックルベリー・フィンの冒険」のこと等、貴重なお話が続きました。

古川信夫さんの京都弁による「いちにちにへんとおるバス」の読みきかせは心地よく心がほんわかしてきました。

いちにちにへんとおるバス

描く、表現する方法など違いがあっても三人とも激動の時代を生き、子どもたちに真摯に向き合ってきたことを改めて感じ、思いを深くしました。
お二人の息の合ったトーク、時には脱線も面白く、いつまでも名残惜しく自然発生的に二部が始まったのでした。
はい、「スーホの白い馬」と「ねむりひめ」のことです。
一同ただ感嘆するばかりでした。
茂乃さん、古川さん、知的刺激、豊かな時間をありがとうございました。

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絵本専門店グリム
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