『庭にくるとり』 (石川えりこ/ポプラ社)
🍀 敬老の日に
『庭にくるとり』
(石川えりこ/ポプラ社)
母さんがうまれた家で、おじいちゃんと暮らすことになったぼく。
新しい土地での新しい生活。
「すぐになれるさ」「だいじょうぶだぞ」とおじいちゃん。
ぼくは、返事をしない。
ある日、おじいちゃんが庭の木にとりのエサ台を作る。
「そんなかんたんに、来るもんか」というぼくの言葉が、「そんなかんたんに心を許さないぞ」とおじいちゃんに向けて言っているように思える。
最初は、ぼくだけでなくおじいちゃんの表情も硬かった。
もしかしたら、おじいちゃんも戸惑っていたのかもしれない。
庭にくるとりを見守りながら、少しずつふたりの距離が近づいていく・・・。
どこまでも青い空、ぼくの目の輝きに希望が見えてくる。
今日は敬老の日ですね。
私はふと亡くなったおじいちゃんを思い出しました。
頑固で気難しかったので、会うときはいつも緊張していました。
でも不思議と思い出すのは、目を細めてうれしそうに笑っているおじいちゃん。
不器用で口には出さないけれど、私のことを見守っていてくれていたのですね。
ふっとそんなことを思った『庭にくるとり』でした。
爽やかで人間への揺るぎない信頼を感じました。
お薦めの一冊です。
投稿者プロフィール
- ロングセラーの絵本、昔話絵本、赤ちゃん絵本などを取り揃えています。蔵書数はおよそ3500冊。長年、絵本専門店を営んできた店主が思い入れのある本をセレクトしています。
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