『ゆうやけにとけていく』
家々の灯りがぽっぽっと灯る。
夕焼けがやさしく包んでいく。
☆第29回日本絵本賞大賞受賞
『ゆうやけにとけていく』
ザ・キャビンカンパニー/小学館
沈みゆく大きな太陽。夕焼けでオレンジ色に染まっていく。
稲穂の波に、プールで、公園のジャングルジム、かあさんと子どもが帰る道で、部屋で本を読んでいる子にどんなところにも夕焼けはやってくる。
空気がひんやりとなって、においがかわっていく。
くもが流れ、鳥たちが太陽をこえて巣にかえっていく。
夕焼けは、喜びや哀しみをやさしく包み込み、空にとけていく。
そして静かな夜が・・・
いつかどこかで出会った風景にいつの間にか入り込んで、あんなことこんなことが浮かんでくる。
懐かしく温かく心に沁みてくる。
満天の星空に心のしこりが放たれていく。
吉野弘の詩「熟れる一日」は何気なくとけていて素晴らしい。
思いがけずにこの詩に出会えて心が高鳴った。
投稿者プロフィール
- ロングセラーの絵本、昔話絵本、赤ちゃん絵本などを取り揃えています。蔵書数はおよそ3500冊。長年、絵本専門店を営んできた店主が思い入れのある本をセレクトしています。
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