『ランタンハウス あかりのともる おうち』
✨ 少しずつ夜がおりてきて薄墨色の空に
家の光りが灯るとホッとします。
そんな温かな絵本をお届けします。
『ランタンハウス あかりのともる おうち』(エリン・ネピアさく/アダム・トレストえ/中井はるのやく/世界文化社)
「わたしは、できたばかりの あたらしい いえ」と家が語り始めます。
夏の暑さや冬の寒さから家族を守り、夜になればランタンのように灯りがともります。
ある日仲の良い夫婦が住みはじめました。
庭には花が植えられ家のなかも緑色に塗られました。
赤ちゃんが生まれ、女の子は大きくなり結婚をし、出ていきました。
家は幸せを祈りました。
夫婦は歳をとり、やがて・・・女の子の部屋には蜘蛛の巣がはり、家中は埃だらけ。
家は、新しい家族が来るのを待ち望みました。
そして・・・家を通して、年月の移り変わりや家族が織りなす物語りが語られています。
私たちもまた出会いと別れを繰り返し生きているので我がことのようです。
それだけにランタンハウスのようにありたいと思う家の気持ちが伝わってきて、温かな気持ちに満たされます。
当店も中古住宅を購入したので、家の気持ちがよく分かります。
床や壁紙を取り換え、書棚を作り本を並べ終わると、本当に家が輝き、息づいてきました。
作者は古民家の内装や修理、地域再生の仕事をしているとの事で、家の気持ちが感じられる方なのですね。
愛情が伝わってきました。
『ちいさいおうち』のオマージュでもあり、双方を読んでみるのもいいですね。
アメリカでは発売早々11万部突破のヒット作とのことです。
投稿者プロフィール
- ロングセラーの絵本、昔話絵本、赤ちゃん絵本などを取り揃えています。蔵書数はおよそ3500冊。長年、絵本専門店を営んできた店主が思い入れのある本をセレクトしています。
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