【永遠の宝もの~梶山俊夫さん、かこさとしさんから託されたもの】を開催しました
時折降る雨の中、たくさんのご参加ありがとうございました。
講師の古川信夫さんは、元福音館書店編集者として、多くの絵本づくりに携わってきました。今回は、主に梶山俊夫さん、かこさとしさんの絵本づくりの原点や作品に込められた想い、エピソードを交えながらお話ししてくださいました。
かこさとしさんの大人気シリーズ“だるまちゃん”はロシアの民芸品“マトリョーシカ”から刺激を受け誕生したお話や、日本の未来を見据え描かれた『かわ』のお話は、かこさとしさんの科学者としての考え方、50年先を見越して描かれていることに驚きました。また軍国少年だったというご自身の戦争体験から、子どもたちにはしっかりものが考えられる子どもになってほしいといゆるぎない信念を感じ、敬虔な気持ちになりました。かこさとしさんの思いをしっかり受けとめなければ。
梶山俊夫さんのお話しでは、大学卒業後パリに留学し、ヨーロッパ各地を彷徨されていた梶山さんが、画家仲間からぼくの背中にはジョルジュ・ドゥ・ラ・トゥールがいるけれど「俊夫の背中にはだれがいる」と問われ、日本人として何を描くのか考えるキッカケとなり、帰国後、国分寺跡や奈良時代の廃寺,山村を歩く中で体感していきます。
それで子どもの頃の風景と重なり、懐かしく温かく感じるのですね。 いみじくもお二人とも日本の風土や自然に根ざし、その優しい眼差しは共通しているのではないでしょうかと結ばれました。
参加者の皆さんからも、「今の自分に当てはめて考えた」という感想を多くいただきました。 日本の自然や風土、人々の生活が生きているからこそ、自然と子ども達が物語の世界へ入り込んでいくのではないでしょうか? 作者と編集者の絵本づくりへの情熱と、読み手である子ども達への愛を感じた講座でした。 (注) ジョルジュ・ドゥ・ラ・トゥールとは 17世紀のフランスの画家で、日本では、梶山さんが出会ったずっとあとに、光と闇の画家として紹介されました。 (くどえり)
投稿者プロフィール
- ロングセラーの絵本、昔話絵本、赤ちゃん絵本などを取り揃えています。蔵書数はおよそ3500冊。長年、絵本専門店を営んできた店主が思い入れのある本をセレクトしています。
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