『奉還町ラプソディ』

絵もたっぷり、読みやすく楽しい!
『奉還町ラプソディ』(作・村中李衣/絵・石川えりこ/BL出版)

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さとしは去年の秋に山口県から岡山県へ引っ越してきた。
奉還町商店街のまんじゅう屋の息子、あつしと仲良くなった。
奉還町は、大政奉還で配られた奉還金をもとに武士が作ったという街だ。
さとしはびっくりすることばかり。
「レディースファッションべにや」のおっちゃんは、金髪のマネキンと一緒に毎日店の前で仁王立ち。
かと思えば、「たねやのノダ」のおばあちゃんは、店で売っている種のすべての発芽記録をとっている。
井上理容店には100年前の古時計が動いていて、井上さんは何故かやたらと使っているものがみな動物でできていると話す。
個性的で変わっている人ばかり。
テレビ局の取材がきたりてんわんやだが、あつしと共に行動する中で、そこに住む人たちが歩んできた人生とかかわっていく。
夫々の人生の生きてきた深さをも考えさせられ、楽しくも心あたたかくなります。
二人の少年の眼差しは温かくやさしい。
文章とカバーから表紙、見返し、絵が一つになって物語りの世界へ誘う。
奉還町商店街の人たちの声がきこえてくるようだ。
この本を読んで○○の明太子が食べたくなっても責任は負えません。
美味しい匂いもしてきましたよ。

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絵本専門店グリム
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ロングセラーの絵本、昔話絵本、赤ちゃん絵本などを取り揃えています。蔵書数はおよそ3500冊。長年、絵本専門店を営んできた店主が思い入れのある本をセレクトしています。

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